ケミカルピーリングでシミを剥がす
ケミカルピーリングとは、皮膚の表面に薬剤を塗って古い角質層を剥がす治療法のことです。
主にニキビ治療に用いるのですが、シミ消しにも効果がありそうですよね。
皮膚を剥がすと新しい皮膚組織の再生が促され、薄いシミなら皮膚組織と一緒に剥がすことができます。
ケミカルピーリングで使用する薬剤には種類があり、それぞれの肌の状態によって使い分けたり濃度を調節したりする必要があります。 皮膚を剥がす作用のあるピーリング剤は、いったいどのような種類があるのでしょうか?
AHA(アルファヒドロキシ酸)
AHA(アルファヒドロキシ酸)は、様々な植物や牛乳から抽出される成分で、別名フルーツ酸と呼ばれます。 乳酸、グリコール酸などもすべてアルファヒドロキシ酸です。 AHAは保湿効果もありますが、配合量が多いと角質を剥がす効果が期待できます。 表皮まで浸透するので、薄いシミなら期待できます。
サリチル酸
ニキビ治療に良く用いられる酸性の有機化合物です。 別名ベータヒドロキシ酸、BHAとも呼ばれ、皮脂と馴染みやすい性質があります。 角質を剥がすというよりも、溶かすという表現がしっくりきます。サリチル酸は非常に強い酸で、強い効果が期待できる半面、副作用も問題視されていました。 そこでエタノールを混ぜることによって、刺激を緩和させることに成功しました。 深いピーリングが期待できるのですが、日本人の肌質に合わない、アルコールの刺激が強いことで日本ではあまり使われません。
そこで開発されたのが、サリチル酸マクロゴールです。 より安全性が高まり、角質・皮脂・角栓・ニキビ菌までも溶かしてしまうことから、ニキビ治療に良く使われます。
TCA(トリクロール酢酸)
ケミカルピーリングの中で、一番肌の深い部分にまで浸透できる薬剤です。 真皮層まで浸透することから、コラーゲンの生成を活発にする作用も持ち合わせています。 濃度を調節して、深い部分の治療もできますが、その分治癒期間が長くかかってしまう欠点があります。TCAにはジェスナー液やレチノイン酸、フェノールなどの種類があり、フェノールはシワ治療に用いることが多いです。 治療の際には痛みを生じるので、シワ治療ではあまり使われません。