シミの原因はメラノサイトで作られる
人間の肌はわずか0.1〜0.3ミリの厚さの表皮の中が、クラチノサイトと言われる表皮細胞や、メラノサイトと言われる色素細胞などの層に分かれて形成されています。
表皮の中にある層は、一番肌の表面を角質層、次に顆粒層、有棘層、基底層といいます。
シミのもととなるメラニンは、表皮の一番奥の基底層にあるメラノサイトで生成されます。 表皮に紫外線が当たると、基底層にあるメラノサイトが反応して、メラニンという色素を作りだします。
作りだされたメラニンは、メラノームという細胞の中にある小胞に溜まっていきます。 そこでいっぱいになると、メラノサイトからそのひとつ上の層の有棘層にあるケラチノサイトに浮き出していって、肌の表面からシミとして見えるようになります。
肌のターンオーバー(新陳代謝)が活発であれば、表皮の一番奥の部分にある基底層で生成された皮膚の細胞がだんだん皮膚の表面に押し上げられ、それに伴って肌の表面にあった皮膚は古い角質となり剥がれ落ちていきます。
新しい細胞が表皮に出て来て、表皮にあった古くなってはがれ落ちる…というこのサイクルを約28日間かけて行えていれば、肌はいつも正常な代謝を繰り返すことになるため、紫外線が原因で出来てしまったメラニンも細胞と一緒に体外に排出することができます。
ところが、紫外線を浴びる時間が長かったり、強い紫外線を浴びてしまったりすると、メラノサイトの数が多くなってしまって、メラニンの生成がとても活発になり、約28日間のターンオーバーでは処理しきれなくなるため、シミが肌に残ることになります。
また、加齢や肌への強い刺激、ストレスが原因となって、ターンオーバーのサイクルが乱れることがあるので、それらが原因でもメラニンが体内に滞ることになります。
しかし、シミと聞くと悪いもの、いやなものというイメージがありますが、メラニンがケラチノサイトに浮き出すことによって、紫外線から細胞核を守る働きをしているので、実は体を守るためのシステムなのです。
そのため、紫外線に過度に反応して、日光に当たらないように生活をしたりするのではなく、肌のターンオーバーを正常に保つようにして行くことが、正しいシミ対策と言えるでしょう。