シミとヘモグロビンの意外な関係
ヘモグロビンは、血液の中に含まれている赤い成分のことです。
出血しない限り日常生活で目にすることはありませんが、実はこれもシミの原因になっていることがあります。
なぜでしょうか?
その理由はニキビ。 ニキビができたとき、周りが赤くなることがありますよね。 あれはニキビの周りの皮膚に炎症が広がり、その結果毛細血管が破れ、血液がにじみ出しているのです。
そのため、血液の中にあるヘモグロビンの色が透けて赤く見えます。 そして、ニキビができると真皮(肌の内側にある組織)を守るため、メラノサイトと呼ばれる細胞がメラニン色素を作ります。
厳密には違いますが、ヘモグロビンが広がったところ=炎症になって皮膚がダメージを受けているところ=メラニン色素が広がるところと考えるとわかりやすいでしょう。 肌の中の傷に広がっていってしまうのです。 ところでこの名前、どこかで聞いたことがありませんか?
そう、これがあのシミの原因であるメラニン色素です。 「皮膚を守るためのもので、シミができたら意味がないじゃない!」と思われるかもしれませんが、実はメラニン色素は真皮を守るためのものなんです。
黒くなることで、肌の奥がダメージを受けるのを防いでいるのです。 ちなみに、メラニン色素はニキビなどの炎症だけでなく、紫外線を浴びたときにも作られます。 紫外線対策がシミ対策にとって有効なのは、こんな理由なんですね。
メラニン色素は皮膚の表面にできるものなので、皮膚のターンオーバーが正常に行われていれば、いずれはがれてなくなっていきます。
しかし、ニキビ痕の部分は皮膚の回復力が低下しているため、なかなかうまくターンオーバーできません。 このため、ニキビ痕はシミになりやすいのです。
このようなしくみになっているので、ニキビの予防も視野に入れたほうが良さそうです。 ニキビの原因は主に毛穴で皮脂と細菌が混ざってしまうこと。 思春期までは比較的皮脂が多いので、場合によっては皮膚科に行ったほうが早いです。
しかしある程度の年齢になれば、適度な洗顔と殺菌で予防することができます。 合わない化粧品が原因になっていることもありますので、あれこれスキンケアを変える前に洗顔方法の見直しなどから始めると良いでしょう。