シミとピルの意外な関係
「ピルを使用すると顔にシミができやすくなってしまう…」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもピルとは、日本では21世紀に入る直前の1999年に認可された避妊薬です。 アメリカでは戦後間もない1955年に開発されたものですが、実際に日本で浸透したのはそれよりも40年も後のことなのです。
しかも、ピルとは避妊薬というイメージが強く、シミとの関連性を考える方は少ないのではないでしょうか。 ところが、顔に出来やすいシミと避妊薬として知られているピルとは大きな関係があるのです。
実はピルは服用することでプロゲステロンという体内のホルモンが一気に増加します。 これは女性にとって、妊娠したときに活発に出てくるホルモンであり、これが妊娠をしていない状態で活発化するということは、「私は妊娠している」と錯覚させるわけです。
つまり、女性はピルを服用することで「私は妊娠しているんだから、もう他の精子は受け付けません」という反応をし、排卵を起こさないようなコントロールが行われるのです。
それゆえに、ピルを使用することで女性は妊娠しにくくなる…実際にその結果は数値でも示されており、避妊の効果はコンドームを上回っているのが現状です。
では、ピルとシミにはどのような関係があるのでしょうか。 先述のとおり、ピルを使用することで、女性の身体は妊娠したと勘違いした状態になるため、妊娠した状態とほとんど変わらない体調となるのです。
例えば、胸のはりや性欲の低下などが挙げられますが、色素沈着もピルの大きな副作用の1つです。 ピルを服用することで生成されるプロゲステロンはメラニンを作り出してしまう性質があり、それがシミへと発展してしまうのです。
つまり、シミの原因であるメラニンを作り出しやすい身体になってしまうため、いつもより少ない紫外線でも、メラニンを大量に作り出してしまう危険性もあるのです。
それゆえに、ピルとシミ…一見するとまったく関係のない2つのものが、実は密接にかかわりあっているというわけです。